ジャック・ウェルチ わが経営
- 作者: ジャック・ウェルチ,ジョン・A・バーン,宮本喜一
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2005/04/29
- メディア: 文庫
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ウェルチのすべてが会社だったことを反映して回顧録なのですが経営に役立つヒントが色々あります。
本田宗一郎のような気配りは無いものの、激しいまでの闘争心と多くの間違いを認める冷静さを感じられるのはさすがに上り詰めた人の貫禄を感じます。
事業に集中することも大切ですがそれ以上に大切なのは人を適切に扱うこと、単に甘やかせるだけではなく人に対しても集中と選択を行っていくことが肝要との意識がとても印象的に残りました。
そして非常に楽天的。
ところどころで “あれは失敗だった” “有益なアドバイスが無かったら今頃・・” と振り返るくだりがありますが、それこそがこの「わが経営」の真骨頂でしょう。
たとえば、あの有名な 戦略について、ある軍士官から「対象になるマーケットを小さく定義して、シェアを大きく見せようとしてないか?」と問いかけられて、彼自身が考えを改め、社内にもパラダイム転換を訴えかけた件。
何かを成し遂げた人間が語る言葉には耳を傾けるに値する何かが必ずある。
本書を通して彼の経営手法や経営哲学を学ぶ、という読み方ももちろん正統的なアプローチだろう。
が、生涯をGEに捧げた一人のビジネスマンの物語として読むのも決して悪くない。
ビジネスマンならずとも、一読の価値はある。