赤い楯―ロスチャイルドの謎〈1〉

赤い楯 ロスチャイルドの謎1 (集英社文庫)

赤い楯 ロスチャイルドの謎1 (集英社文庫)

「日本人がなぜ市民に至るまで傲慢であるかと問えば、それは史実を知らぬから、と答えるほかない。
子供のまま生涯を終え、その途中で一度たりとも歴史を学ばぬ国民、それが小手先の文化論を語り、ビジネスに狂奔する。
外へ出ようというなら、語学を学ぶ前に、丸い地球の歴史を知っておくべきであろう」「政治家だけを取り上げて戦争の発端を論ずるような歴史観は、今日まで多くの知識人が犯してきた重大な過ちである」「キリスト教徒が中世の暗黒時代、ユダヤ人に許していた職業は、"ダイヤの研磨"か"金貸し"しかなかった」「「歴史は女で作られる」-「歴史は夜作られる」、この名言を体現する女性たちについては、歴史上の体系的な記録がほとんど痕跡さえ残っていない状態である」世界最大の産業"石油"が誕生した19世紀末、「ロックフェラーがヨーロッパの産業共同体にダンピング攻勢」 ⇒ ロスチャイルド対ロックフェラー対クルップという三つ巴の利権争奪戦 ⇒ 第一次世界大戦世界最大の化学トラスト「IGファルベン」1925- 後年、アウシュビッツ強制収容所を経営。
総合化学会社「ICI」1926-。


西欧諸国の各王室も、昔から皆親戚である。
そいうわけで、皆さんのおっしゃるとおり、家系図の人間が全て同じ陰謀に加担しているというのはハッタリにも程がある。
しかしその点を差し引いても作者の調査能力と執念には脱帽せざるを得ない。


しかしまさか、この人とあの人が血縁関係で、そのまた親戚にこんな有名人が...なんて想像も出来ませんよ、普通は。
最後は、なぜスイスが永世中立国として存続できるのか、それと支配者との関連に言及します。


だから我々は一般人でメジャーではないんだよ、と反論する私。
本書を読んだ別の知人は「単なるユダヤ陰謀本だ」とのクレーム。
全然読んでないじゃないか本書を!、と反論する私。


大富豪の真相を垣間見たい方には最適な本です。
広瀬さんの本の中で最初にこの本を読むのはあまりお薦めできません。
また、この本を読んだだけで自己完結してしまうと、現代世界の動きを理解できなくなっていくと思いますので、ご興味がある方は中丸薫さんの最新刊にお進み下さい。
宇野正美さん、中丸薫さんの思想を極限まで落とし込んだ本のようなイメージがあります。