赤い楯―ロスチャイルドの謎〈2〉

赤い楯 ロスチャイルドの謎2 (集英社文庫)

赤い楯 ロスチャイルドの謎2 (集英社文庫)

「IGファルベンとICIの対決、それが第二次大戦の大きな動力-エネルギーであった」「"財閥"のあいだでの経済的な支配戦争が背後に大きく横たわっていたはずである」「かつて相争っていたロックフェラーとロスチャイルドの通信網を駆使して立ち向かったのであるから、ドイツ、日本、イタリアなどの即成軍事大国が勝てる道理はなかった」「パレスチナ問題の根源は、"ヨーロッパ人"によるユダヤ人迫害にあった。
このヨーロッパ人の責任が、アラブから土地を奪取することによって中東に転嫁されたことに源がありながら、そのヨーロッパ人が口をつぐんでいるのは、不思議な沈黙である。
イスラエルを建国することは、ユダヤ人を追い出したいと思うヨーロッパの、多年の願望だったのである。
イスラエルユダヤ人の国ではなく、ヨーロッパによって創られた国であった」


著者は、金融支配のユダヤ人陰謀説には安易に組していないが、ここまで人脈が濃密に張り巡らされていると、資産家というものは階級というよりも、運命共同体のように見える。


外へ出ようというなら、語学を学ぶ前に、丸い地球の歴史を知っておくべきであろう」「政治家だけを取り上げて戦争の発端を論ずるような歴史観は、今日まで多くの知識人が犯してきた重大な過ちである」「キリスト教徒が中世の暗黒時代、ユダヤ人に許していた職業は、"ダイヤの研磨"か"金貸し"しかなかった」「「歴史は女で作られる」-「歴史は夜作られる」、この名言を体現する女性たちについては、歴史上の体系的な記録がほとんど痕跡さえ残っていない状態である」世界最大の産業"石油"が誕生した19世紀末、「ロックフェラーがヨーロッパの産業共同体にダンピング攻勢」 ⇒ ロスチャイルド対ロックフェラー対クルップという三つ巴の利権争奪戦 ⇒ 第一次世界大戦世界最大の化学トラスト「IGファルベン」1925- 後年、アウシュビッツ強制収容所を経営。
総合化学会社「ICI」1926-。
⇒「当時のヨーロッパを二分する超マンモス企業の誕生と対立」 「実はここに芽生えた敵意こそが、第二次世界大戦の最も大きな誘因になろうとしていた」


」「思想書など何百冊読んでも頭はよくならない。
家系図を描いて、そこに利権を書き込んでゆくと、ほとんどの悪事の答が浮かびあがる」サロー仏首相と独裁者スターリンの驚くべき近親婚。
系図45を調べてみると、もはやこの世のすべてが信じられなくなるのは、筆者だけであろうか」スターリン第3夫人 妻 =「"共産主義者"と"大資本家"の連携プレー」on「餓死の農民と血を吐くような石油労働者」 ウクライナ穀物、バクーの油田 ⇒ ルイ=ドレフュス商会、フランス石油「従来の歴史は、政治家と軍人だけを調べて断罪し、商人と銀行家を野放しにしてきた」「ジスカールデスタン大統領と、その反対勢力ミッテラン大統領」が「きわめて近い親族」であるという「全世界で誰ひとり指摘したことのない事実関係」「ミッテランは大統領選挙で「核実験をやめ、兵器輸出を控え、原子力発電をおこなわない」と公約して当選し、その後はジスカールデスタン以上に核実験、原子力、兵器輸出に没頭してきた。


ローマ法王を取り巻く黒い法衣を着た参謀たち、ことに枢機卿と呼ばれる緋色の法衣をまとった七十人の最高権力者が、このカトリック教会総本山の金庫の鍵を握り、法王を動かしているのである。
彼らは世界各地に散らばり、それぞれの国家や地域で聖なる献金を受け取りながら政治と経済に絶えず目を配り、懺悔室でさまざまな階層の人間の告白に耳を傾けて世情をつかんできた」「アンブロシアーノ銀行が世界各地の幽霊会社に不正融資をおこない、その投資ビジネスのパートナーがローマ法王バチカンだった、という信じ難いスキャンダルが明るみに出てきた」1982・6・17 アンブロシアーノ銀行本店の五階からグラツィエラ・コロケルが投身自殺 1982・6・18 イタリア最大の民間銀行「アンブロシアーノ銀行」の頭取ロベルト・カルヴィの首吊り死体が、ロンドンのテームズ河にかかる橋の下で発見「特に問題となり、社会が衝撃を受けたのは、神聖なるカトリック教徒の総本山「バチカン銀行」がこれに関与し、兵器メーカー、ポルノ出版社、避妊用ピルのメーカーといった、信徒にとって悪魔的な企業の株をバチカンが所有していたことである」「サダム・フセイン=イスラエル諜報機関モサドがアラブ世界に送り込んだ高級エージェント」